40㌔距離感にミゾ 常呂—北見間、遠く…

2025-01-08 掲載

(北見市/社会)

常呂 北見市財政健全化計画説明会

〝地方切り捨て〟に反発の声

常呂会場で冒頭あいさつする辻市長 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
常呂会場で冒頭あいさつする辻市長

 北見市常呂自治区向けの財政健全化計画説明会は昨年12月22日、同市常呂町多目的研修センターで開かれた。常呂—北見間のミゾを感じる住民が多く、40㌔離れた北見自治区との距離感をどう思うのかと改めて問い直す質問が相次いだ。基盤産業の漁業者、農業者からは〝地方切り捨て〟の計画を見直すよう常呂出身の市長にゲキを飛ばす発言が出された。

 約110人の参加者のトップを切って発言したのは、地元の漁業者。「市の幹部の皆さんは北見から常呂まで車で来た際の40㌔をどう感じたか」と切り出し、常呂町健康温水プールを廃止して子ども達を北見や佐呂間のプールに通わせるのは「断固反対だ」と強い言葉で会場の雰囲気をいっきに引き締めた。

 幼児期から水に親しみ、泳ぎを覚えるお陰で「船から海に投げ出されても泳いで助けを待ち、救われた事例もある。このプランは命を奪おうとしている」と詰め寄った。

 そして「常呂の漁業は、ふるさと納税で大きな貢献をしている。それを常呂のために使ってほしい。我々は北見のために頑張っている、北見市も私達のために頑張ってください」と熱い言葉で要望した。

 1〜3歳児の歯科検診の会場が常呂から北見へと移行される計画について参加者は「何ら説明のない中の突然の話。母親たちの交流の場にもなっている。北見に通う往復80㌔の間にもし何かあったらどうするのか」と不信感を募らせ、市保健福祉部は「保健師ら限られた人材で実施していかなければならず改めて検討する」と答えた。

 一方、農業者からは「常呂自治区は農業、漁業が盛んで豊かに暮らしていける。市職員はここに定住し、この地で生きていく人達をよく知ることが大切。夕張市をよく調べ、辻市長は選挙公約を果たすためにも、お膝元の自治区をどうしていくのか考えて」と優しくも厳しい言葉で助言。辻直孝市長は「貴重なご意見をいただいた」と真剣な表情で答えた。

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  • 北見市財政健全化計画

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