■白紙に
大空町東藻琴地区への建設準備は大詰めを迎えていた。1市5町からなる斜網地区廃棄物広域化推進協議会(会長:水谷洋一網走市長)の当初計画では、昨年12月中には協議会からステップアップした一部組合の設立申請を道にするはずだった。
しかし、昨年7~10月の調査で、建設予定地の盛り土から大量の産業廃棄物が見つかり、同協議会は昨年12月4日の会合で建設地の選定をやり直すことを決めた。
〝土壇場での白紙撤回〟という事態は、新聞やテレビなどで大々的に報じられた。
弁護士と学識経験者で組織
会議は公開、3月中に結果まとめ
■第三者
同協議会は、土壇場での白紙撤回となった事態を招いた原因などについての検証が必要だと判断。来月にも検証委員会を立ち上げ、メンバーは弁護士1人と学識経験者2人としている。検証会議は公開で開催し、今年3月上旬までの計3回を予定している。
検証メンバーすべてを第三者とした理由について、同協議会事務局(網走市)は「専門知識に基づいた検証が必要で、今回の事態を客観的に見てもらいたい」とする。検証項目についての詳細は明らかにされていないが、建設予定地の選定、決定に至る経緯などが検証される見通しだ。
土壇場での撤回に至った原因究明が必要
住民グループ「〝合意形成〟の根拠も調査を」
■住民の声
昨年10月以降、大空町東藻琴地区の住民グループは「焼却施設の建設について大空町役場と住民の合意形成はできていない」とし、建設地の再検討を求める反対運動を活発化させた。
今回の第三者による検証について、住民グループは「喜ばしいこと。大空町役場が主張する『住民との合意形成はできた』とする根拠も調べてくれるとありがたい」と期待を寄せている。
…………………
次回は、1市5町による新たな広域ごみ処理施設の建設候補地の選定などについて紹介する。