今月末に置戸町のオケクラフト作り手養成塾を修了する岡村君子さん(41)と伊藤隆幸さん(57)の卒塾式が28日、町内のどま工房で行われ、関係者からエールが送られた。
入塾したのは、岡村さんが2023年4月、伊藤さんが24年2月。ベテランの現役クラフトマンを講師に、木工芸やオケクラフト生産に必要な技術と知識を学んできた。
岡村さんは、ほっと温かく、笑顔になれる食器を届けたいとの思いを込め、工房名を「hokkori」に。卒塾式には食べ物がすくいやすいよう反り返しを付けたキッズプレートやカバ材を使ったティーセットやスープカップなど、暮らしに馴染む製品をお披露目した。
伊藤さんは、ヤドリギの花言葉「困難に打ち克つ」「忍耐」が「まさに今の自分にぴったりだと思った」と、工房名を「yadorigi」とした。町を離れたクラフトマンから継承したカーリングストーン形のキャンディーポットをはじめ、エゾマツを使った蓋つきのヌードルカップ、くびれのあるフォルムで手にしっくりと馴染む湯飲みなどを並べ、研修成果を報告。
式では、深川正美町長が「オケクラフトは置戸の思いとイメージを伝えるツールとして、なくてはならない。地域の皆さんとともに振興していってほしい」と卒塾生にエール。
岡村さんは「初心を忘れず真摯なものづくりができるよう身を引き締めていきたい」、伊藤さんは「花言葉のごとく耐え忍びながら努力していきたい」とそれぞれ決意を述べた。
2人は今後、町の補助制度を活用し、4月の工房開設に向けて準備を進める。また、オケクラフトセンター森林工芸館では3月14日〜4月15日、昨年10月に卒塾した永井悠太さんと河越義雄さんと合わせ、卒塾生4人の研修成果を披露する卒塾展が開かれる。 (理)