岩藤孝一置戸町議会議長は議会懇談会の中で、町が計画を進める児童館の新築について「ぜひ子育て中、あるいは女性目線での意見を聞かせてほしい」と訓子府の女性議員や参加者に意見を求めた。
児童館建設は小学校にほど近い町有地に新築を計画しており、2024年度は実施設計に着手した。総事業費は当初6億5千万円程度としていたが、資材高騰によりさらに高額になる見込み。建設費用が盛り込まれた新年度予算案が3月の定例町議会で審議される予定だ。
一方で老人福祉施設への財政支援も年間1億5千万円を超えており、負担が大きな状態となっている。そうした現状を踏まえ、岩藤議長は「子育てに力を入れるべきか、老後に向けた福祉充実に力を入れた方がいいのか、我々の中でも答えが出ていない」と明かした。
訓子府の泉副議長は「絶対なくしてはいけない方と考えると、老人ホームが優先ではないか」。町民達は「老人憩の家もかなり老朽化している。子どもも老人も使える施設に」「児童館は中学、高校生が利用できるといっても行かないと思う」「子どもの数も減っているし、規模を小さくしてニーズに合った形でもいいのでは」などと意見を出していた。
今年度の町内の出生数はこの日までに4人と過去最少のペース。岩藤議長は「人口や財政の規模を見据えた上で新築するのが将来のために本当にいいのか。首長が最終判断をするところだが、後悔はしたくない」と思いを語った。 (理)