報道で花えーるの廃止案が浮上していることを知った利用者ら住民達は「驚きと動揺を隠すことはできませんでした」と昨年12月、急ぎ署名活動を始める。
半月で千百筆を超す署名を集め、利用グループのみるくVACCA、るべしべ白花豆くらぶ、温根湯みそ作り同好会の3団体代表が12月17日北見市役所を訪れ署名簿と「女性達が仕事の都合をつけ楽しみに活動し、心の拠り所として明日への活力の場所としてとても大切な施設です」とする陳情書を提出した。
陳情では「このような地域住民の交流の場、活動の場所が廃止になると、この地域がますます寂しくなってしまいます。この施設が末永く続きますよう強く要望します」と訴えた。
市役所から帰る道中、「反対するだけでなく、自分達で何ができるかを話し合いましょう」と、月1回集まり茶話会的に雑談する中から「アイデアが見出せれば」と意見が一致した。
ふだん牛の世話をしながらわずかな時間を見つけ、同施設で食品加工を楽しむ女性達。決断は早く、行動力もある。花えーるを考える会と名付けた会合をすでに2回開催。2月16日には8人が集まり研修室で「木のぬくもりが感じられるしまだまだ使える。もったいない」などとおしゃべりした。
「国道からの案内看板がなくて場所が分かりづらい」「作った物を販売できないのが難点」といった課題点を出し合ったほか「みそづくりの合い間に作るカステラがおいしいのよ」「暮れにはここで餅つきも行っている」「今年は私も参加したい」と情報交換し盛り上がった。健康づくりの料理を楽しむ利用グループ・割烹着の会は「白花豆を使ったみそづくりに挑戦したい」と提案。一同はそのアイデアに「いいね」とエールを送った。
みるくVACCAの石井加代子代表は「ふだんはそれぞれ働き、たまに集まってワイワイ情報交換し元気をもらって帰る」と花えーるの存在価値を語る。調理室に入る際に履き替える厨房用長靴の棚にはおとな用に交じり子ども向けの小さな長靴が並ぶ。「施設がなくなると若い世代にも魅力のない地域になってしまう。持続していくことが大事」と前を向く。
<この項完> (寒)