2年前、網走市教委は市内A中学校でのいじめ問題3件とB中学校の1件を重大事態と認定し、第三者委を設置した。同時期に4件のいじめ問題を重大事態と認定し、第三者委を設置するのは、全国的にも異例中の異例だった。
A中学校の場合、同市教委は2年前の3月に記者会見を開き、いじめの内容などを公表。この際、加害者とされる生徒を11人と説明したが、警察から「関与なし」と報告を受けた生徒も含まれていたことなどから、保護者の一部から訂正を求める声が相次いだ経緯がある。
B中学校のケースについて第三者委は、生徒が亡くなったことを受けて、いじめの有無などを調査している。
同市教委は24年度当初予算に、いじめ対策事業として2339万円を計上。大半は第三者委の調査費に充てられると予想されたため、A中学校とB中学校の関係保護者らは、今年3月末までに調査結果が公表されることに期待していた。
同市教委の関係者によると、第三委の結果については「4月中には公表されると聞いている」。公表が遅れている理由として、「関係保護者との調整に時間を費やしているようだ」と応じてくれた。
今年3月末、A中学校とB中学校のいじめ問題について陣頭指揮を執ってきた教育長が退職。教育部長と次長、そして校長、教頭は異動となり、当時の状況をよく知る現場担当者が一線を退く状況になっている。
関係する保護者は「当時の状況をよく知る現場の担当者がいなくなってしまい、本当に真相が明らかになるのか不安が募るばかり」と、取材に応じてくれた。 (大)