2年前のいじめ問題「真相は?」

2025-04-10 掲載

(網走市/教育)

網走市 第三者委の結果公表、4月にも

 網走市内の中学校で起きた4件のいじめ問題を受け、網走市教委は2023(令和5)年に第三者委員会(同市いじめ問題調査委員会)を設置したものの、調査結果はいまだに公表されない状況だ。いじめ問題を重大事態と認定した当時の同市教育長や校長らは退職・異動などで一線を退いており、関係する生徒や保護者らは、今回のいじめ問題が風化してしまうことを危惧している。

陣頭指揮執った教育長はすでに退職

 2年前、網走市教委は市内A中学校でのいじめ問題3件とB中学校の1件を重大事態と認定し、第三者委を設置した。同時期に4件のいじめ問題を重大事態と認定し、第三者委を設置するのは、全国的にも異例中の異例だった。

 A中学校の場合、同市教委は2年前の3月に記者会見を開き、いじめの内容などを公表。この際、加害者とされる生徒を11人と説明したが、警察から「関与なし」と報告を受けた生徒も含まれていたことなどから、保護者の一部から訂正を求める声が相次いだ経緯がある。

 B中学校のケースについて第三者委は、生徒が亡くなったことを受けて、いじめの有無などを調査している。

 同市教委は24年度当初予算に、いじめ対策事業として2339万円を計上。大半は第三者委の調査費に充てられると予想されたため、A中学校とB中学校の関係保護者らは、今年3月末までに調査結果が公表されることに期待していた。

 同市教委の関係者によると、第三委の結果については「4月中には公表されると聞いている」。公表が遅れている理由として、「関係保護者との調整に時間を費やしているようだ」と応じてくれた。

 今年3月末、A中学校とB中学校のいじめ問題について陣頭指揮を執ってきた教育長が退職。教育部長と次長、そして校長、教頭は異動となり、当時の状況をよく知る現場担当者が一線を退く状況になっている。

 関係する保護者は「当時の状況をよく知る現場の担当者がいなくなってしまい、本当に真相が明らかになるのか不安が募るばかり」と、取材に応じてくれた。 (大)

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