■半年
網走市では初めて重大事態と認定されたA中学校の3件のいじめ事案について、第三者委は昨年12月、調査結果を網走市教委に答申。文部科学省はガイドライン(2018年3月)で、調査結果について「特段の支障がなければ公表することが望ましい」としている。
本紙取材によると、A中学校の調査結果を公表する時期については、6月上旬まで不明確な状況が続いていた。
調査結果が同市教委に答申されてから半年ほど公表されない理由について、本紙取材に対して同市教委は「(被害者とされる)生徒・保護者との確認作業」とし、「公表したくない部分、個人にかかわる部分は配慮しなくていけない」(今年5月時点)としていた。
公表日と説明会の2日前に案内文書届き
「関係保護者への事前説明が拙速」と指摘受け
■速達
調査結果が公表される時期が不明確な状況が続く中、6月25日朝、関係保護者宅の一部に、同市教委から速達で封書が届いた。封書には、調査結果を6月27日午後10時に市のHPで公表することを踏まえ、同日午後6時半に説明会を開催する
―と記した文書が入っていた。
本紙取材に対し、受け取った保護者の一部は「案内文書が説明会の2日前に届いて驚いた。あまりにも唐突すぎる」と困惑していた。
こうした同市教委の手順について、網走市議会の小田部照市議が問題視。6月25日の定例市議会一般質問で「重要なお知らせを(説明会の開催日)2日前に速達で送るというやり方は学校教育行政において適切なのか。関係保護者は不信感を抱いてる」と指摘した。
小田部氏の質問に対し、同市教委の木野村寧教育長は「性急に進めたことに関して、(同市教委の)最高責任者として謝罪をしたい」との考えを示した。
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小田部氏の指摘を受け、同市教委は関係保護者への説明会と調査結果の公表日を延期することを決めた。