■ちぐはぐ
23年、同市教委は市内A中学校の3件、B中学校の1件を重大事態と認定。いずれも、第三者委(市いじめ問題調査委員会)に調査を依頼し、A中学校においては昨年12月に調査結果がまとまり、同市教委に答申された(※被害者とされる生徒・保護者との確認作業中のため現時点で公表されていない)。
同市教委は、A中学校の事案については記者会見(23年3月31日)で詳細を発表するなど、情報提供に積極的だった。一方、B中学校については、第三者委を設置したことを市議会にすら報告しておらず、〝ちぐはぐ〟な対応は、関係保護者らの不信感を募らせた経緯がある。
B中学校、生徒が自死 原因は?
いじめ有無含めて調査
■市教委も調査
B中学校の事案について、同市教委が第三者委を設置したのは23年10月。設置から1年半が経過したものの、調査結果がまとまる時期は未確定だ。
第三者委の設置後、同市教委は市議会などに対して「我々も調査対象になっている」と、再三にわたり説明している。つまり、いじめの有無を含め、生徒が自死に至るまでの市教委・学校の対応も調査焦点の一つになっている可能性があるということだ。
当時の市教委幹部、退職・異動で現場離れ
本紙は、B中学校の生徒の自死後、市教委や学校の対応についても取材を続けている。当時を知る関係者の証言は、真実を探り当てるために重要だ。
しかし、事案発生から2年近くが経過すると、当時の校長らは異動などで網走市を離れるケースが目立ってきた。同市教委においても同様で、当時の教育長は退職し、部長と次長は異動により現場を離れてしまった。
B中学校の事案についてはまだ調査が続いている。当時の状況をよく知る関係者が少なくなる中、第三者委はどのような結果をまとめ、公表するのか注目される。