■唐突
A中学校の3件のいじめ事案は 網走市教委の専門部会によって重大事態として認定され、第三者委により調査が進められていた。
同市教委は先日、調査結果を6月27日夜に公表することを決め、同日夕には関係保護者を対象にした説明会を開催するつもりだった。しかし、説明会の案内文書が保護者宅に届いたのは開催2日前(6月25日)だったため、「唐突すぎる」と反発の声が広がった。
こうした同市教委の姿勢について、6月25日の定例市議会・一般質問で小田部照市議が問題視。木野村教育長は答弁の中で謝罪し、調査結果の公表時期は延期することになった。
■一転
同市教委はA中学校の調査結果について、半年以上にわたり公表せずにいた。一転して、同市教委は〝6月公表〟にこだわった。なぜか?
木野村教育長は、6月25日の定例市議会・一般質問に対する答弁で「(私は)4月に教育長に就任し、調査書を読ませてもらい、『早くみなさんに公表したほうがいいと思った』」と述べた。
この答弁から推測すると、木野村教育長は半年以上にわたり調査結果が公表されない状況を重く受け止め、公表を急ぐよう担当職員に指示したようだ。
答弁で木野村教育長は「(被害生徒・保護者と)交渉し、『6月に公表』というところまで辿り着いた」と内情を明かした上で、「公表するのであれば、この議会(6月の定例市議会)にも早く報告したほうがいいと(職員に準備を進めるよう)指示を与えた」とした。
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管内のある中学校の校長は「木野村教育長の強い思いが〝6月公表〟にこぎ着けたと感じる。前教育長には荷が重すぎたのでは」と分析する。
木野村教育長の〝決断〟は相当なものだったと予想される。一方で、教育行政の最高責任者の「強い思い」と現場職員の「スピード感」がマッチせず、その結果「被害者以外の生徒・保護者への気配りの足りなさ」につながったかもしれない。