
今年2月に忽然と姿を消した常呂川河口の灯台(常呂河口漁港標識灯)。北見市常呂在住の写真愛好家・横山義雄さん(81)は、このほど市内で開催されたフォト北見写真展に、この灯台を写した作品3点を出品した。「素晴らしい被写体だった。寂しいです」と話す。
生まれも育ちも常呂の横山さん。本格的に写真を撮り始めて約30年になる。
無くなった灯台は、冬になると流氷に囲まれ、さらに激しい波を受けてまるで衣のように氷をまとう姿が印象的で、各地からカメラマンが撮影に訪れる人気スポットだった。また、地元住民が近くの橋を渡るときには「必ず灯台の方を見て渡る」というほど、なじみ深いものだったそう。
その日は突然現れた。「灯台が無くなったと聞いて、慌てて見に行ったらやっぱり無かった。無くなってはじめていろいろなことが思い出されました。灯台を写した作品でコンテストに入ったこともあった。毎日撮っていてもあきなかった」と横山さんは肩を落とす。
灯台を管理するオホーツク総合振興局によると、灯台は波にさらわれたとみられており、完全に修復されるのは数年後になる見込みという。
14日まで開かれた今回の写真展には、在りし日の灯台を見てもらいたいと、無くなる直前の今年2月に撮った写真も出品した。横山さんは「まだまだ灯台の写真があるので、灯台だけの写真展もできたら」と話している。