北見市常呂のトコロチャシ跡遺跡群(6・5㌶)の一般公開が4月29日に始まった。初日はオープン記念セレモニーが行われ、辻直孝市長は「多くの方々に愛着を持たれる場所となることを期待します」と語った。
同遺跡群は、国指定史跡「常呂遺跡」の東部に位置し、2002年、国指定史跡に追加された。
常呂遺跡西部の「ところ遺跡の森」は縄文時代、続縄文時代、擦文時代の遺跡を公開。一方、トコロチャシ跡遺跡群は、8~9世紀頃のオホーツク文化期と18世紀頃のアイヌ文化期の遺跡が中心。トコロチャシ跡の公開により、9千年に及ぶ5つの時代の遺跡がひとつにつながる。
市は文化庁の補助金などを活用し、2021年度から4年がかりでチャシ跡の工事を実施。オホーツク文化期の竪穴住居の内部を復元した屋内施設と、アイヌ文化期のチャシ(砦)を再現した屋外施設をメインに、遊歩道や案内板、東屋、駐車場などを整備した。
竪穴住居復元施設でのオープンセレモニーには施設関係者や来賓、地域住民ら30人ほどが出席し、除幕式などが行われた。史跡常呂遺跡整備専門委員会議委員長の佐藤宏之氏(東京大学名誉教授)は「文化財保護だけでなく教育や観光資源としても活用いただければ」と期待を込めた。
セレモニー後は、東京大学北海文化研究常呂実習施設教授の熊木俊朗氏が同遺跡群の概要を解説した。 (柏)
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北網圏北見文化センターではトコロチャシ跡遺跡群のオープン記念展示を5月25日まで開催。観覧無料。問い合わせは同センター(0157-23-5700)へ。