青山北と稲美の国道沿いは、町のコンパクトなまちづくり計画で「沿道サービス拠点」に位置付けられている。
現在、道路の中心から南北それぞれ60㍍のエリアが帯状に、第二種住居地域に指定されている。店舗の誘致を図ってきたが、近年は各企業の店舗が大型化していることもあり、現行の奥行きでは追従できなくなっていた。
南側は住居地域に沿ってすでに住宅街が形成されているため、北側のみを変更する。道路中心からの距離を60㍍から100㍍に伸ばすことで、北見市や網走市など近隣の郊外型店舗と同様の、奥行き150㍍規模の出店が可能になる。町は「企業が出店しやすい環境にすることで、進出を促し、にぎわいを創出したい」としている。
準防火地域解除で住宅建設コスト軽減
一方の準防火地域はコンパクトなまちづくり計画の「中心拠点」「駅前交流拠点」に当たるエリア。現在、新町、仲町、大通など国道240号沿いを中心に合計71・2㌶が指定されている。
準防火地域では、火災が延焼しないよう、玄関ドアを鉄製にしたり、一部のガラスを網入りにするなどの対策が求められている。
町によると、これらの対策には、一般的な住宅で100万円以上がかかる。町が行った調査では、準防火地域は、その他の地域に比べて改築が進んでいないという結果が出ており、町は「対策のコストが建て替えを鈍らせている可能性があります」とみる。
今回の変更では、延焼の可能性が低いと評価された、商店が並ぶ国道沿いなどを除く35・9㌶の指定を解除。準防火地域は半分以下の35・3㌶とする。
道との協議経て6月に決定
2031年に開校が見込まれる義務教育学校整備候補地の美幌小学校が近いエリアでもある。町は「『学校の近くに家を建てたい』という希望が増えることが予想されます。中心部の建て替えが、コンパクトなまちづくりにつながれば」としている。
2つの変更はこれまで、美幌町都市計画審議会で審議され、了承されており、今後、北海道との協議を経て6月に決定する見通し。 (浩)