■概要版
網走市教委は今月5日、市のHPを通じて第三者委による調査報告書の「概要版」を公表した。
「概要版」によると、3件の事案はいじめと認定。3事案に共通する学校の対応の問題として、①いじめ認知から重大事態発生を疑うまでの初期対応②いじめ発生・認知に関する網走市教委への報告遅延・不履行③家庭との連携不足―などとした。
また、教育委員会の課題として、①学校への指導・監督体制の強化②事態発生時の情報収集・判断の迅速化③警察との連携―などと指摘した。
■不可解現象
今月7日時点で市のHPでは、調査報告書全文は掲載されず、概要版だけが読める状態。一方、一部新聞やテレビでは概要版に含まれていない詳細情報が報じられるという、〝不可解な現象〟が起きている。なぜか?
〝不可解な現象〟は、同市教委の「報道ファースト」にあるようだ。
市教委の〝頑な〟な姿勢が混乱招き
同市教委は当初、「7月4日午後10時から調査報告書の全文を公表」と決めていた。そして、同日午後3時半の記者会見で報道各社に100㌻以上に及ぶとされる調査報告書の全文を配付し、会見後の夜に公表することを説明した。
次いで、同市教委は記者会見後の同日午後6時半、関係保護者を対象にした事前説明会を開催。出席した保護者からは、調査報告書全文を公表した際、加害生徒に及ぼす影響を懸念する声が寄せられた。
保護者説明会後の夜、同市教委は急きょ、市のHPでの報告書の全文公表は見送り、概要版のみの掲載に切り替えた。しかし、報道各社にはすでに全文を配付しており、報道を止めることはできない事態に陥っていた…。
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〝不可解な現象〟の主因は、「保護者説明会の数時間後に全文公表に踏み切る」と頑なに準備を進めてきた、同市教委の拙速で前のめり過ぎる教育行政の運営姿勢にあるようだ。