令和7年。インターネットを使うことが日常となったこの頃、暇さえあればSNSや動画投稿サイトをスクロールするという人も少なくないだろう。実際、私もその一人である。
しかし、ここ最近SNSを見ていると、しょっちゅう誹謗中傷が目に入るようになった。それは個人に対するものであったり、性別や職業など、特定の属性を持つ人々へのものなど様々だ。
念のために言っておくが、決してSNSを否定する意図はない。むしろ、使い方を誤らなければ趣味の合う人と繋がったり、立場や視点の違う人たちと意見の交換ができたりと非常に便利である。
しかし現在、SNSはネットいじめや個人情報の流出、性被害など多くの社会問題を引き起こし、またそこから現実での非行や大きな犯罪行為に発展するケースも見られている。
私は「なぜネットでこんなことをしてしまうんだろう」と疑問に思い、彼らと話してみたことがある。すると、加害者たちの多くが学校でのいじめや家庭内の不和など、日常生活に不満を抱えていることがわかった。また、その中には「誰にも相談できなかった」「居場所がなかった」と発言した人もいた。
その話を聞き、ネット内での非行を減らすためには彼らの安らげる居場所を作ることが必要だと私は考えた。その居場所を作るために、私たちには何ができるのだろうか。
一つ目は、身近な人を思いやることだ。例えば、あいさつをすることはもちろん、困っている人がいれば声を掛けたり、何かをしてもらったときに感謝を伝えたりすることも大切である。ネット内でも現実でも、悩みを持つ人はたくさん存在している。そんな彼らに手を差し伸べ、寄り添う人が増えれば、少しでも安らぎを届けられるのではないだろうか。
二つ目は、つらくなった時には助けを求めることである。もちろん、相手にあたたかく接することは良いことである。しかし、誰かを助けるためだとしても、自分が傷ついてしまえば元も子もない。今やほとんどの人がスマートフォンやパソコンを通してネットに触れることができるため、誰もが被害者、そして加害者にもなり得る。そのため非行を減らすには、相手のために自分を無視する「自己犠牲」ではなく、相手も自分も大切にした「思いやり」こそが重要である。
インターネットを通し、様々な人と簡単に繋がることができるこの時代。だからこそ、私たちはお互いを尊重し、理解し合うことが大切なのではないだろうか。
明るい社会を築くため、そして被害者にも加害者にもならないために、今一度周りの人たち、そして自分の心と向き合ってみてほしい。