
この日は午前8時25分ころに地震が発生。その5分後には気象庁がオホーツク海沿岸に津波注意報を発表した。これを受けて市は9時40分に常呂自治区の対象エリアに避難指示を発令し、東浜地区多目的集会施設、旧かもめ保育所、常呂森林公園、弁天公園の4カ所を避難場所として開設した。
津波発生時は規模によらず避難指示を発令
津波注意報は、予想される波の高さが「20㌢~1㍍」、津波警報は「1~3㍍」、大津波警報は3㍍を超える場合に発令される。今回、オホーツク海沿岸に出されたのは注意報だった。
市が作成した「防災いつでもノート」によると、避難指示は5段階の警戒レベルのうち「4(災害のおそれ高い)」に該当し、「危険な場所から全員避難」が求められる。ちなみに最上位の「5(災害発生または切迫)」は、命の危険が脅かされる状況で「緊急安全確保」が発令される(表参照)。
気温が高い日、熱中症のリスクも考慮
4カ所で40人以上が避難
市のマニュアルによると、津波発生時は、規模の大小にかかわらず原則、避難指示を発令。ただし対象地区や避難場所は「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」により異なる。津波注意報の場合の対象地区は「漁港区域、海岸付近」で、避難場所は「海岸から離れた高い場所」とされており、特定の避難場所の定めはない。
しかし今回、市は「津波警報」発令時に避難場所として指定されている4カ所をマニュアルにこだわらずに開設した。
この判断について橋本課長は「気温が高い日でもあり、住民の熱中症リスクを考慮して屋内も含めた避難場所開設を決めた」と説明する。
実際に避難したのは旧かもめ保育所に2人、屋外の常呂森林公園と弁天公園に合わせて最大20人(車両による避難)。
このほか研修施設「ネイパル北見」の利用者と職員21人が、近くの錦水小学校に一時自主避難した。
今回の津波注意報、避難指示について橋本課長は「多くの市民から問い合わせがあり、強い関心を持っていただいた。市の対応を振り返ると、避難指示の対象地区をより明確に伝える必要があることなど、再考が必要な部分が見つかった」と語る。
ハザードマップで自宅の災害リスク確認を
北見地方は、津波はもとより、大雨による洪水の危険も少なくない。橋本課長は「防災月間を機にハザードマップで自宅の災害リスクを確認し、津波や洪水、地震や雪害などの発生時にどう行動するかを家族であらかじめ話し合ってもらえれば」と呼びかけている。 (柏)