
北見緑陵高校は16日、「1日防災学校」を実施した。美幌第6即応機動連隊第2普通科中隊の隊員を招き、全校生徒349人が、自衛隊の役割や、東日本大震災、胆振東部地震での活動内容などを学んだほか、応急救護や炊き出しも体験した。
この取り組みは、自らの安全を守る基礎的な力を養い、安心・安全な社会づくりに主体的に参加できることを目的に、2年前から続けている。初回は市役所職員から北見市の防災について学び、昨年は日本赤十字北海道看護大学から講師を迎え、簡易トイレや段ボールベッドの組み立てなどを体験した。
講演では、第2中隊長、柴里拓也さんが東日本大震災や胆振東部地震での実体験を語った。北見市では過去20年、大規模な災害は起きていないが小規模災害は発生していることに触れ「今後は大きな災害も起こる可能性があるので注意が必要だ」と述べた。
自分たちにできる防災活動としては、家族と避難場所や集合場所を話し合っておくこと、防災バッグや最低限3日分(可能なら1週間分)の食料を備えておくこと、災害時には国や自治体、気象庁などの正確な情報を得ること、さらに自分の住む地域で危険な場所や避難場所を把握しておくことの大切さを強調した。
柴里さんは最後に「防災は特別な人がするのではなく、あなたが主役です。どうか今日の話を自分事として受け止め、命を守る行動につなげてください」と呼びかけた。
応急救護体験では隊員らが、ほうきと毛布を使った応急担架の作り方などを紹介。担架搬送体験では、隊員を乗せた担架を4人で持ち上げる際は「上げる用意、1、2、3」、下ろす際は「下げる用意1、2、3」と声を掛けて搬送した。
校舎玄関前には救急車1台、装甲車2台、高機動車1台などを展示し、救急車と高機動車の乗車体験を行った。
参加した生徒からは「家族で避難場所や集合場所を話し合ったことがなかったので、してみようと思いました」などの声が聞かれた。 (知)

