連載 まだ増えるの?メガソーラー~網走市~ ㊤

2025-09-11 掲載

(網走市/社会)

大規模太陽光発電施設の設置規制求める請願提出

 近年、網走市内では太陽光発電施設が増えている。貸し付けた市有地3カ所ではメガソーラー(大規模太陽光発電)施設が稼働し、市も出資して設立された「あばしり電力」は市有地4カ所に太陽光発電施設を開設。一方、先日の網走市議会には設置を規制する条例制定を求める請願が出された。網走市に規制する条例は必要ないのだろうか? (大)

国内・道内でも自然環境などへの問題浮上
「あばしり電力」など稼働中
条例制定求め市議会に

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■他人事ではない

 国内においての太陽光発電は、2012年の固定価格買取制度の導入以降、急増した。一方で、元来の自然環境・形態が変化したことによる問題などが浮上。近年は、太陽光パネルの寿命(20年から30年とされる)を踏まえ、一斉に廃棄されることが予想される「2040年問題」などが取りざたされるようになった。

大空町でも整備計画に反対、署名運動も
「他人事ではない」危機感強め

 太陽光発電の〝問題〟は、大空町でも起きている。

 町によると、女満別地区にあるゴルフ場の土地を所有する企業が今年6月、町役場を訪れてゴルフ場を今年11月に閉鎖して太陽光発電パネルを整備する計画を説明。町はその場で反対の意向を伝えたほか、地元経済界などはゴルフ場の「存続を求める会」を設立し、署名運動を開始した。

 町によると、土地を所有する企業は先日、ゴルフ場の閉鎖時期を1年延期する考えを示してきた。

 大空町の問題について、網走市議や職員の一部は「他人事ではない」と危機感を強める。

■積極推進

 網走市の水谷洋一市長は、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの活用に積極的だ。市は2023年6月、温室効果ガスの排出量ゼロをめざす「ゼロカーボンシティ宣言」をした。水谷市長は当時の菅政権の提唱に即座に反応し、管内市町村の中では早いタイミングでの宣言だった。

 水谷市長の肝入り施策「あばしり電力」は、22年4月に設立。市有地4カ所に太陽光パネルを整備し、電力の半分は市内公共施設に供給している。

 このほか、貸し出した市有地3カ所にメガソーラー施設がある。3施設の広さは計1万5千平米を超える。

 市内では、私有地の空地などにもメガソーラー施設が設置されるケースが目立ってきた。

 こうした状況を踏まえ、網走市議会には先日、メガソーラーの設置を規制する条例制定を求める請願が出されたのだが…。

キーワード

  • 太陽光発電

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