
■他人事ではない
国内においての太陽光発電は、2012年の固定価格買取制度の導入以降、急増した。一方で、元来の自然環境・形態が変化したことによる問題などが浮上。近年は、太陽光パネルの寿命(20年から30年とされる)を踏まえ、一斉に廃棄されることが予想される「2040年問題」などが取りざたされるようになった。
大空町でも整備計画に反対、署名運動も
「他人事ではない」危機感強め
太陽光発電の〝問題〟は、大空町でも起きている。
町によると、女満別地区にあるゴルフ場の土地を所有する企業が今年6月、町役場を訪れてゴルフ場を今年11月に閉鎖して太陽光発電パネルを整備する計画を説明。町はその場で反対の意向を伝えたほか、地元経済界などはゴルフ場の「存続を求める会」を設立し、署名運動を開始した。
町によると、土地を所有する企業は先日、ゴルフ場の閉鎖時期を1年延期する考えを示してきた。
大空町の問題について、網走市議や職員の一部は「他人事ではない」と危機感を強める。
■積極推進
網走市の水谷洋一市長は、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの活用に積極的だ。市は2023年6月、温室効果ガスの排出量ゼロをめざす「ゼロカーボンシティ宣言」をした。水谷市長は当時の菅政権の提唱に即座に反応し、管内市町村の中では早いタイミングでの宣言だった。
水谷市長の肝入り施策「あばしり電力」は、22年4月に設立。市有地4カ所に太陽光パネルを整備し、電力の半分は市内公共施設に供給している。
このほか、貸し出した市有地3カ所にメガソーラー施設がある。3施設の広さは計1万5千平米を超える。
市内では、私有地の空地などにもメガソーラー施設が設置されるケースが目立ってきた。
こうした状況を踏まえ、網走市議会には先日、メガソーラーの設置を規制する条例制定を求める請願が出されたのだが…。