
来年3月、市町合併から20年を迎える北見市。人口減少や財政問題などの課題を抱える中、有識者の声を参考にしながら地域の一体感醸成や地域の持続的発展につなげたい考え。
出席者は前釧路市長の蝦名大也氏、北海道大学公共政策大学院教授の今井太志氏、同大学総合イノベーション創発機構客員教授の橋本幸氏で、8月に行われた1回目の懇話会と同じ顔ぶれ。
今回は前回の内容を踏まえ「公共サービスや市役所機能のあり方」「行政と地域の協働・役割分担」「中心部と郊外部の連携・一体感の醸成」の3つをテーマに設定した。
蝦名氏は財政健全化の取り組みについて「『フィロソフィー(哲学・価値観)』『パラダイム(理論・構造)』『ポリシー(実行・施策)』のうち、一番上のフィロソフィーをいかに表現していくか。『なんのために』取り組むのかを示すことが重要」。橋本氏は「閉塞感を打開するために『意欲的』『挑戦的』なメッセージが必要。いつも通りの手法のままでは求心力は生まれない」と指摘した。
行政と地域の協働・役割分担について今井氏は「若者が主体性を持って新事業などに挑戦できる土壌づくりが必要」と述べた。
また一体感の醸成については「一体感の醸成は結果として生まれるもので、地域に対する誇りなどを表す『シビックプライド』を深めていくことが一体感につながるのではないか」と提案。蝦名氏は「合併はそもそも合理化が目的で、プラスの面があればマイナスの面もある。マイナスをプラスに、プラスはもっとプラスになるよう恐れず進めていくべき」と語った。
市は年度内に合併20年に関する市民アンケートと市民会議の開催を年度内に行う予定。 (柏)