小説家・朝倉かすみさん北見で講演

2025-12-16 掲載

(北見市/文化)

「書くことは利己的な勇気」

読書遍歴や創作過程語る

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 11月に公開された映画「平場の月」の原作者で、小樽市出身の小説家、朝倉かすみさんの講演会が6日、北見市立中央図書館で開かれた。「よむよむかたる 作家も語る」と題し、作家になるまでの道のりや創作過程についてざっくばらんに語った。

 朝倉さんは2003年に「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞を受賞し、04年に「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞を受賞して作家デビュー。19年には「平場の月」で第32回山本周五郎賞を受賞し、昨年には「よむよむかたる」で直木賞候補にも名を連ねた。

 講演会は参加者から事前に集めた質問に応える形で進行した。小説を書くきっかけは「はっきりしていない」と前置きしつつ、読書遍歴やターニングポイントを振り返った。

 短大卒業後、大正期や昭和初期の名作を読み漁り、森鴎外の「雁」に心を打たれた。現代文学にも読書ジャンルを広げる中で、池澤夏樹の「スティル・ライフ」との出合いをきっかけに、小説のおもしろさに目覚めた。

 30歳を過ぎ、中学生の時に本屋の店員から言われた「女の子も一生食べていける資格を」という言葉が身に迫ってきた。資格取得に挑戦したがうまくいかず、小説を書き始めたという。朝倉さんは、芥川龍之介の「羅生門」に登場する下人の心情に重ね、当時の思いを「私にとってものを書くということは、利己的な勇気だった」と語った。

 創作アイデアは「身の回りのちょっと気になること」から得ており、その要素を具体的なイメージに落とし込む。それを繰り返すうちに「真っすぐ、ぴかぴかした棒が伸びる感覚になる」と独特の表現で創作過程を説明し、「棒には、つくねみたいな柔らかいものが付いている。(プロットは)つくねを切って順番を並び替えていく感じ。でもたいていうまくいかない」と会場の笑いを誘った。 (理)

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