網走市の最終処分場 ㊤

2022-11-24 掲載

(網走市/社会)

異なる残余年数

 計画期間を大幅に前倒して数年後には満杯となる網走市のごみ最終処分場の残余年数について、市は今月18日の同市廃棄物減量化等推進懇話会(市民ら12人)で、最新調査結果に基づき「あと4年」と報告した。しかし、同懇話会の助言者として出席していた地元の委託業者は「あと2年3カ月」とし、市の見解と大きく異なった。    (大)

市の見解は「4年」、委託業者は「2年3カ月」

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■市の答え

 市の計画では最終処分場は2032年まで利用するはずだが、生ごみのたい肥化などが順調に進まないことから、あと数年で満杯になる。

 市は残余年数について、今年10月1日の最新調査結果から弾き出した残余量「6万210立方㍍」を基準に、今年9月30日までの1年間の埋め立て量「1万4218立方㍍」で割り返して、「あと4・2年」とした。昨年10月1日の調査時点での残余年数は「あと4〜5年」としていた。

■現場の答え

 同18日の懇話会では、市から残余年数「4年」という説明を受けた直後、委員の1人が最終処分場の管理・運営を市から受託する地元業者に見解を求めたところ、「あと2年3カ月」と示し、委員たちを驚かせた。

 本紙取材に対し、地元業者は独自の測量結果に基づいて、最終処分場の残余量を「4万8311立方㍍」(11月2日現在)とした。この残余量を基準に、今年7〜10月までの1カ月の平均埋め立て量「1761立方㍍」を割り返して、残余年数を「2年3カ月」と算出した。

 地元業者は「(最終処分場の整地などを手がける)現場の重機オペレーターなどの意見も踏まえても、残余年数は2年から3年だと感じています」と話す。

■危機的な状況

 同18日の懇話会で、市と地元業者の示す残余年数が異なることが明らかになったが、市の担当者は「(数年で満杯となる最終処分場に対する)危機感は(地元業者と)同じ」とした。

 また、同懇話会の石井一英委員長(北大大学院教授)も、新たな最終処分場の整備準備を早急に進めるよう進言していた。

懇話会での報告に驚き

 先日の網走市長選で4選を果たした水谷洋一市長は、今から5年後に稼働させる焼却施設の建設を視野に入れる1市4町(網走市、美幌町、大空町、小清水町、斜里町)による広域処理協議を進めるとしている。

 仮に、地元業者が試算する残余年数「2年3カ月」が現実となった場合、広域の焼却施設の供用開始前に、網走市民から排出されるごみの〝出口〟はなくなってしまう。

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