連載 〝綱渡り〟の延命策 ㊤

2023-01-19 掲載

(網走市/社会)

網走市のごみ問題

 計画を大幅に前倒して満杯になる、ごみ最終処分場について、網走市は具体的な延命策をまとめ、先日の網走市議会・文教民生委員会に報告した。最終処分場は「あと4年で満杯」とされる一方、新たな処分場は供用開始までに最短で6年かかる。市がまとめた延命策などを紹介する。(大)

失敗は許されない〝2年の延命〟 市が市議会・文教民生委に具体策報告

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現最終処分場は「あと4年で満杯」
新処分場供用開始は最短6年

■無理な計画

 現在の最終処分場は、2032年まで利用する計画だった。しかし、生ごみの100%たい肥化など、実現困難な目標値を計画に盛り込んだことなどから、最終処分場は「あと4年」で満杯となる事態に陥った。

 市はこうした危機的状況を踏まえ、最終処分場の延命に向けた検討事項をまとめた。議会での議決案件も含まれるため、「決定」ではなく「検討」としている。

6策すべて達成で実現可能

■ロスタイム

 市が示した延命策は、次の通りだ。

①生ごみたい肥化率維持・向上

②新たな破砕機の導入

③紙おむつの処理

④市民への分別協力

⑤処分場の覆土量の削減

⑥最終処分場の埋め立て容量の増加変更

 ……………………

 市はこれらの延命化策を実行し、現在の最終処分場の供用期間を、新たな最終処分場の工事完了までの2027年までに延ばさなければならない。

 最新調査による最終処分場の供用期間は、2026年までの「あと4年」。市がまとめた延命策すべてを構想通りに進められれば、「『あと4年』から1年でも長く延ばせるはず」(市の担当者)としている。

 ……………………

 地元業者は、現在の最終処分場は「あと2年3カ月で満杯」とする。〝待ったなし〟の危機的状況だ。

 市は〝ロスタイム〟の中での「失敗は許されない延命策」に取り組むことになる。

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  • ごみ問題

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