【部活動が抱える課題】
全国的な傾向と同様、道内中学校の部活動数は2015〜22年度の7年間で17%減少した。一つの学校では部活動が成り立たず、複数校での合同練習や合同チーム結成などが増加。また教職員が休日を部活動の練習や試合に充てるなど長時間労働も課題となっている。
【部活動の地域移行とは】
部活動の運営主体を地域のクラブや少年団などに移行させることで、教職員の働き改革を進め、部活動の維持が困難な公立中学校の生徒がスポーツや文化活動に親しめる環境づくりをすることが狙い。移行後の実施主体は少年団や文化芸術団体、総合型地域スポーツクラブなどが想定される。
生徒の選択肢確保や教職員の負担軽減などメリット
指導者や練習場所確保などの課題も
【地域移行のメリットと課題】
教職員の休日勤務や残業など労働環境の改善。スポーツや文化活動において生徒の選択肢が確保できるなどのメリットが見込まれる。一方、保護者には送迎の労力や費用負担の増加が予想されるほか、指導者や練習場所の確保といった課題がある。
そのためスポーツ庁と文化庁が主導し、部活動を地域に移行させる取り組みが2023〜25年度の3年間を改革推進期間として進められている。
【市内中学校部活動の現状】
中学校の部活動の現状(表参照)を見ると、市内14校(義務教育学校1校を含む)の生徒数は2477人(2023年5月)で、このうち何らかの部活動をしている生徒は2073人と84%に上る。このほか水泳や体操など部活以外の少年団、クラブで活動する生徒も一定数存在する。
内訳は運動系が1621人、文化系が452人と運動系が文化系の3・6倍に上る。運動系で最も多いのがソフトテニスで329人、次いで陸上236人、バスケットボール235人など。文化系は吹奏楽203人、美術173人、演劇60人など。
軟式野球やサッカー、女子バレーボールはすでに合同チーム、男子バレーボールはクラブチームの活動が行われ、地域移行の萌芽が現れ始めている。(柏)