市の単独負担、約47億6700万円
■議会の指摘
新庁舎の建設事業費は、12月の定例市議会に提出された一般会計補正予算案で当初計画より9億2300万円増の61億5100万円になる見通しになった。
建設事業費61億5100万円のうち、市の単独負担は約47億6700万円。市民の負担は決して軽いとは言えない額だ。
資材の高騰・人件費の上昇を背景に新庁舎の建設事業費は増えている一方、同市議会の指摘によって節約に結びついた例もある。
当初計画では、新庁舎の1階にはバイオエタノール燃料を使った暖炉を設置する予定だった。市は、関連事業費として300万円を予算化したい考えだった。
しかし、暖炉は暖房用ではなく「市民の語らいの場」の創出が目的だったことなどから、市議会は「必要あるのか」などと指摘。昨年5月に設置を見送ることが決まった。
また、昨年11月には、駐車場への自動ゲートの設置も撤回された。市は、関連事業費として1600万円ほどを想定していた。
駐車場自動ゲート、暖炉は設置撤回
全市一丸「使えるものは新庁舎で再利用を」
自動ゲートについて、市議会内では「無料で利用できる駐車場には必要ない」との意見が大半を占めたことから、市は設置を断念した。
■リユース
新庁舎の建設事業費が増えていることを受け、市役所内では現在使用している事務用品のリユース(再利用)ムードが広がりつつあるようだ。
市企画総務部の男性管理職は「会議用の机など新庁舎で使えるものは積極的に再利用することは、市民負担の軽減にもつながるはず」と話す。
事務用品や家具は、市長室にもある。現在の市長室(応接ブースとは別)に設置される応接セットや本棚、ミーティングテーブルなどは、水谷市長が初当選時(平成22年)に要望し、購入したものだ。
市長室にある応接セットなどはリユース可能な状態だと想像できるが、「新庁舎の市長室には新しい家具を購入する考えです」(市新庁舎開設準備室)。
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網走市は今年度当初予算に、ごみ最終処分場の延命化策として計2億円ほどを計上した。この2億円も予定外の出費だ。ごみ処分場に関してはさらに、予定外の出費がありそうだ。
人口減少に伴って納税者も減っていく網走市。水谷市長の舵取りに期待がかかる。