地質調査で補強対策の要否必要に
■業界紙
今年9月の網走市議会定例会で、広域ごみ焼却施設建設予定地内の土砂流出対策施設整備工事の関連事業費約1億2千万円の補正予算案が可決。この工事に関する入札は11月1日と同7日に行われる予定だった。
しかし、先日、業界紙がこの入札が中止になったことを報じた。本紙は、中止になった理由について網走市役所を取材した。
入札中止の理由について市の担当者は「建設予定地(東藻琴)の地質調査結果から、造成予定範囲の一部に補強対策の要否を必要とする箇所が確認されたため」とした上で、「影響が及ぶ恐れのある土砂流出対策施設工事に関する入札については、対策要否の判断後とした」と、取材に応じてくれた。
施設の供用開始時期に影響は
■影響
1市5町による「網走地区廃棄物広域化推進協議会」(会長・水谷洋一網走市長)は、焼却施設の供用開始を2029年度か30年度としている。今回の入札中止を受け、供用開始時期がずれ込むことも考えられる。
もし、ずれ込んだ場合、最終処分場が満杯寸前の網走市などは深刻な問題を抱えることになる。
東藻琴の住民グループメンバー
「建設地決定の経緯知りたい」
東藻琴地区の住民らによる「ごみ処理施設を考える会」は、建設地の再検討を求めている。これまで、網走市議会に請願を提出し受理されたほか、先日の衆院選で比例当選した網走市出身の川原田英世氏には要望書を、鈴木直道北海道知事に陳情書を提出するなどしている。
今回の〝入札中止〟について、メンバーの1人は「我々は建設予定地に東藻琴地区が選ばれるまでの経緯が知りたい。入札中止についてはさほど関心がない」と冷静に受け止めている。