■止まらぬ減少
網走市の昨年11月末の人口は3万2523人。10年前(2013年)は3万8244人だった。単純計算だが、毎年600人近くが減っている。
現在の状況を踏まえると、残念ながら網走市の人口減少に歯止めがかかる兆しは見られない。人口減少は、地域経済や市民生活にも目に見える形で影響を及ぼし始めている。
人口減少社会を言い換えると、少子高齢社会だ。本紙は、「網走市の子どもの数」に焦点を絞って取材を進めたところ、出生数が予想以上に減少していることに気づかされた。
■年間145人
昨年(令和5年)に網走市役所に届出のあった出生数は145人だった。令和4年は181人、5年前の平成30年は230人だった=表参照=。
年間出生数が200人台を割込むのは、令和3年から3年連続している。過去5年間の減少ペースの推移を踏まえると、年間出生数が200人台に回復するのは極めて厳しい状況だ。
昨年に生まれた145人の大半は、6年後には小学生になる。現在の人口減少ペースを基に6年後の未来を推測すると、市内にある9小学校すべてで新1年生のクラスは1クラス編成になっている可能性が高い。
小学1年生の8割が1クラス
■8割が1クラス
現在の市内9小学校の1年生のクラス編成はどうなっているのだろうか?
潮見小学校と南小学校だけが2クラス編成で、ほかはすべて1クラス編成となっている。市内すべての小学校の8割が1クラス編成という実態は、網走市において人口減少がいかに進んでいることを現している。
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水谷洋一市長は2期目(2014~2018年)の公約テーマを「人口減少社会への挑戦」「人口減少のインパクトの緩和」とした。国の方針に従った関連施策を展開したものの、網走の実情に即した独自策は打ち出せていないのが現状だ。