■計画狂う
現在の最終処分場は、当初の計画では2032年度までの15年間使えるはずだった。しかし、生ごみの100%たい肥化などが計画通りに進まなかったことなどから、最新の調査(昨年10月)では「あと4年3カ月(2027年中)」で満杯になるとされている。
網走市を含む1市5町(美幌町、大空町、小清水町、清里町、斜里町)は、広域でごみ処理することを申し合わせている。大空町東藻琴に建設予定の焼却施設の供用開始時期は当初、2028年とされていたが、建設現場の人材確保や資材調達の影響などで「1年半から2年」ほど遅れることになった。
昨年11月、網走市はこうした〝ダブルの計画狂い〟を踏まえ、最終処分場の延命策としてかさ上げする方針を決定。昨年11月、最終処分場の周囲(ふち)に土えん堤を造成することが可能なのか、業者に試算を依頼していた。
当初の計画内容の甘さ市民の負担に跳ね返る
■6年間の延命
業者による試算では、最終処分場の周囲に高さ3㍍まで土によるかさ上げが可能との結果が出た。この結果を踏まえ、市は造成に向けた本格的な準備に着手した。
最終処分場の周囲の長さは約525㍍。仮に処分場周囲すべてに土えん堤を造成した場合、市の計算では最終処分場の供用期間は最大で4年ほど延命できる(※現在の埋め立て量で推移した場合)。
市によると、かさ上げ整備費は最大で3億3千万円。国や道からの補助金はなく、すべて網走市の公金を拠出することになる。
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整備費は最大で3億3千万円
かさ上げ整備が可能となったことで、網走の〝ごみの行き場がなくなる〟という最悪の事態は避けられそうだ。ただ、かさ上げ整備には最大3億3千万円かかる。当初の計画内容の甘さが、最終的には市民の負担として跳ね返ってきた形だ。