■結果に注目
かさ上げ整備の着工時期は、市が今年10月に実施するごみ最終処分場の残余量調査の結果によって決まる。ただ、昨年10月の調査結果を踏まえると、最新調査では「あと3年(2027年中に満杯)」との結果が予想されるため、かさ上げ整備は早い段階で着工となる可能性が高い。
今年10月の残余量調査結果は、埋め立て処分場の管理を委託される地元業者と市役所との〝満杯議論〟の中でも注目されていた。
委託業者は2年前から、最終処分場の満杯時期を「2025年」としている。一方で、市は「2027年」とし、見解が分かれていた。この見解の相違については、市議会でも何度か議論され、市側は「令和6年10月の調査結果を踏まえた上で今後の対応を決定する」という姿勢を貫いてきた。
かさ上げ整備が決まり、最大で4年間の延命が見通せることになったことで、地元業者が主張していた〝2025年満杯問題〟は回避されそうだ。伴って、委託業者と市役所との〝満杯議論〟は互いの異なる主張に結論が出ないまま、一つの区切りを迎えることになる。
■巨額の公費
最終処分場の〝満杯問題〟について、本紙が初めて報じたのは2021年。以後、市役所は市議会からも厳しい追及を受けながら、延命化策を講じてきた。
21年以降、予算化された主な延命策は、生ごみたい肥化用破袋機1台(約9300万円)や二輪式破袋機(約7千万円)の導入など。今回のかさ上げ整備を含めると、最大で6億円を超す巨額な公費が投じられることになる。
延命化、余分な出費6億円(最大)
延命化のため〝余分〟な出費が重なった最終処分場。余分な出費の要因の一つに市役所の見通しの甘さ、問題発覚後の対応のまずさがある。巨額な公費を投じたにもかかわらず、水谷洋一市長が最終処分場を現地視察したのは2回だけ(3月11日時点)。
2030年には、網走市を含む1市5町(美幌町、大空町、小清水町、清里町、斜里町)による広域の焼却処理施設が完成する予定だ。将来の〝ごみ行政〟に向け、水谷市長の舵取りに期待が寄せられている。