入塾式に臨んだのは、伊藤隆幸さん(56)、駒野司さん(51)、川端美智子さん(48)。先に入塾している3人の研修生に加わり2年間の予定で講義を受け、オケクラフトセンターの工房で作業を学ぶ。
道南上ノ国町出身で結婚後に根室管内中標津町で40年近く建築大工をしてきた伊藤さんは「道具は違うが、大工経験を生かし、町の発展に貢献したい」と抱負。作りたい物に「お猪口(ちょこ)」を挙げた。酒好きだそう。夫婦で町内に移住した。
駒野さんは工業高校の建築土木科をはじめ小学校から特別支援学校まで日高管内で教員を勤めた。「20年前たまたま見たオケクラフトの感動が忘れられなかった。ものづくりを諦めきれず応募した」と動機を語り「人一倍努力したい。ご指導のほどを」と挨拶した。「生活に馴染むような食器を作りたい。指物(さしもの)にも興味がある」と意気込みを語った。置戸町には趣味の渓流釣りで何度も訪れていたそう。
釧路町出身の川端さんのキャリアも相当なもの。「定職に就かず、やりたいことをやってきた」そう。ボイラー技士の助手、証明写真機のメンテナンスなど機械いじりが好きで、販売の現場では見本品作りも手がけたという。
「高校の恩師に頂いたオケクラフトの小鉢の柔らかくて温かい感触が忘れられなかった」そう。「やりたい仕事はすべてやった。最後はここ(オケクラフト)と決めていた」とキリリとした表情で語った。
深川正美置戸町長は「皆さんの決意の強さに感動した。伝統の重みとともに、ぜひ新風も起こして」と期待を込め歓迎した。(寒)