60年以上にわたり書に親しみ、篆刻家としても知られた故池田敬岳さんの回顧展が、北網圏北見文化センターで開かれている。漢字や大字書、篆刻(てんこく)約100点のほか、篆刻印の制作に使用した道具類も展示している。14日まで。入場無料。
池田さんの教え子でつくる実行委が、故人の思いを引き継ぎ一周忌に合わせて企画した。
会場には大字書「游神」や市内未発表の創作「寿夢の世界」など、温厚な人柄とは対照的な大胆で荒々しい書風の書作が多く並ぶ。また、書で鍛えた赴きある線が刻まれた篆刻作品や落款印と思われる制作途中の石も並び、実行委は「躍動感や緻密さなど、字のおもしろさを感じ取ってほしい」と来場を呼びかける。
妻・栄子さん(82)は回顧展の開催にあたり、故人に縁のある多くの人が協力してくれたことに感謝し、「皆さんに作品を見てもらう機会をつくってもらい、夫も幸せだと思います」と話していた。(理)