北見地区消防組合消防署の署長に就任した佐藤哲也さん(55)は「職員一丸となって消防業務に誠心誠意取り組みたい」と抱負を語る。
網走生まれで、小学2年生から北見在住。北見緑陵高校を卒業後、消防士となった。これまで西出張所長、本部総務課長、常呂支署長などを歴任。前職は副署長。
2011年の東日本大震災では、震災直後に緊急消防援助隊第2次北海道隊後方支援隊の副隊長として被災地で活動。同年7月には北見地区消防組合議会の視察で議員に随行。その後は宮城県の石巻消防本部への職員派遣の手続きにも携わった。
緊急消防援助隊の活動では「被災者を救いたい」との強い気持ちで現地入り。消防の車列に手を振る被災者の姿に心を打たれた。「現地の人達のために力を注ぎたかった。しかし、現実には瓦礫の山に阻まれほとんど何もできませんでした。はがゆく、悔しかった」と無念さをにじませる。
被災地での経験をふまえ、自分のテーマにしているのが「今の自分に何ができるか」という自らへの問い。
それぞれの現場で自分ができることを考え、全力を尽くすとの思いが込められている。署長着任にあたり「消防は人こそが財産。職員一人ひとりが主体的かつ積極的に仕事に向き合える環境をつくるのが私の仕事」と気を引き締めている。(柏)