北見警察署の新たな署長に着任した、幸崎利弘さん(59)は勤続42年・20カ所目の赴任地にして初めて出身地の北見勤務となった。「出身地での勤務ということでこれまでとは格別な思いがある」と着任の感想を述べる。「地域住民のための警察」の信条のもと、着任挨拶では「地域住民の目線に立って、地域の実情を踏まえた警察活動となるよう取り組んでほしい」と訓話した。
1964年北見市出身。北見北斗高校を卒業し警察学校で学んだ後、最初の赴任地は84年の網走警察署。ここで8年間、しっかりと基本を身に付けた。次ぐ93年の釧路方面本部勤務では「中国人約100人による集団密航事件の捜査に携わり、大きく記憶に残っている」と述べる。
経歴の珍しいところでは94年から3年間、外務省に出向し、ロシア・サンクトペテルブルグ日本国総領事館に勤務した。帰国後も外国人犯罪の捜査に携わる。その後の警察大学校勤務ではその経験を講義に生かした。道警本部では刑事部、総務部、警務部などに従事してきた。
着任したとたん、重傷の交通事故とSNSの投資詐欺が続けて発生した。「危機感を覚えている。署員一丸となって地域の安全・安心を守っていきたい」。
久しぶりの北見は「バスターミナルなど駅前ががらりと変わったが、経済センターなどは当時のまま」と懐かしみ、「故郷で過ごす機会をいただいたので私生活では管内イベントや旧友との交流も楽しみたい」と話す。
趣味は網走勤務時代に教わったサケ釣り。「一応、浮きルアーの道具を持ってきたが、行けるかどうか」とほほ笑む。(寒)