住民説明会で質問者に
■〝逆質問〟
説明会で松川町長は、質問者の「(焼却施設は)マイナス」や「(広域ごみを受け入れることで)負担があるのは東藻琴」などとの発言に対し、〝逆質問〟を3回試みた。
具体的なやり取りの一例を紹介する。
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【6人目の質問者】「負担があるのは東藻琴~中略~東藻琴になんのメリットがあるのか?」
【松川町長】「『こんなことが負担なんだ』というのがわかれば~中略~具体的に言ってほしい」
【6人目の質問者】「毎日のゴミを持ってこられて嬉しい人はいないです」
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記者の取材経験に基づくと、この種の住民説明会で首長が住民に対して〝逆質問〟するのは異例だ。
松川町長は、逆質問して質問内容の核心を見い出し、具体的な解決策を探ろうとしたとも考えられる。参加した男性は「あれをやられると住民は質問しづらくなる」と話していた。
■よそのゴミ
広域ごみを処理する焼却施設の工事は、2026年度に始まる予定。網走市などの処分場は満杯期限が近づく。
なぜ、このタイミングで東藻琴住民の一部からは不満・疑問が噴出したのだろう?
7人目の質問者は「網走・美幌・清里・小清水・斜里の全部のごみが集まるという文章(住民が9月に作成したチラシの新聞折り込み)を見て、『え、そうなの』という感じだった。町民はきっと、知らなかったというか気付いていなかったから、こんなことになったではないか」とマイクに向かっていた。
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町「合意得た」住民「もう少し話を」
互いの距離は縮まらず
松川町長は本紙取材に対し、「住民との合意を得た」とした。説明会でも、予定通りに整備を進める考えを示していた。
10月2日の説明会は午後6時半に始まった。8時40分ころ、町側は「時間もだいぶ長くなってきている。もう1人の質問を受け付けて、今日は終了したい」と告げた。住民からは「もうちょっとやろうよ」「まだまだできるよ」「バカにするな」などとの声が上がっていた。
「整備を進める」とする松川町長。「もうちょっとやろう」と求める住民。この議論の行く末は?