北見市が国や北海道と連携して実施。見学者を含めて約60人が参加した。弾道ミサイルを想定した訓練は、現庁舎では初めてという。
「X国」から弾道ミサイルが発射され、日本に飛来する可能性があり、模擬のJアラート(全国瞬時警報システム)が発出された想定で行われた。
前半は、防災危機管理室の職員が市民からの問い合わせに対応し、配信メールの送信、庁内放送の依頼をしたり、関係機関から情報を集めて辻直孝市長に報告するまでを訓練。職員は市民の問い合わせに「カーテンを閉め、廊下など窓から離れた場所に避難してください」「トラクターは可燃物(燃料)を積んでいるので離れてください」などと答えていた。
後半は、庁舎4階に勤務する職員が窓口を訪れている来庁者を誘導して避難する訓練。職員は、窓がないエレベーター近くに市民を誘導し、呼びかけが解除されるまでともに姿勢を低くして両手で頭を守る姿勢を取っていた。
訓練後、市民役で訓練に参加した河嶋郁恵さん(44)は「職員さんの説明が的確でスムーズに避難できました。朝に(北朝鮮から)ミサイルが発射されたこともあり、緊張感を持って臨めました」と振り返った。
市民を誘導した総務部契約課の豊田尚希係長(43)は「北朝鮮からのミサイル発射は、決して人ごとではない。訓練を通じて経験を重ね、備える必要があると感じました」と話した。
辻市長は「具体的な行動を確認できました。課題を整理し、取り組みを進めたい」と講評した。
国などは、弾道ミサイル飛来時の行動について、屋外にいる場合は①頑丈な建物の中か地下に避難する②建物がない時は物かげに身を隠すか地面に伏せ頭を守ること、屋内にいる場合は窓から離れるか、窓がない部屋に移動すること―を呼びかけている。(浩)