車内に閉じ込められた人などを救出するための研修が20日、美幌消防庁舎で行われた。署員たちが、専門性が高い救助器具を使い、実車の窓ガラスを割ったり、ドアをこじ開けるなどの研修に、真剣に取り組んだ。
美幌・津別広域事務組合消防本部が例年開催。今年は外部講師として電動油圧救助器具を取り扱う船山株式会社(新潟県)の車両レスキューインストラクター、竹田隆広さんを招いた。消防本部、美幌、津別両消防署に加え北見消防署の署員も参加した。
消防本部によると、美幌、津別町内の救助出動件数は2023年が24件、24年が11月21日現在13件。過去5年間の統計でみると、このうち7割近くが交通事故に伴う出動で、車内に閉じ込められるケースも実際に発生している。
研修は廃車を使って実施。車両の窓ガラスを割る時に破片が飛び散らないようにするフィルムの張り方や、電動油圧救助器具でのボンネットやドアのこじ開け方など、竹田さんが注意点を説明しながら手本を示した後、署員が実践した。
雪や氷で路面状況が悪化し、路外逸脱や横転などの交通事故の増加が懸念される時期でもあり、署員たちはどの救助作業にも真剣に取り組んだ。(浩)