秋の叙勲で瑞宝単光章を受章した、置戸町雄勝の元置戸消防団分団長、松岡精一さん(77)に対する伝達式が9日、町役場で行われた。妻、都子さん(73)とともに出席し「身に余る感激です。皆さんのご指導により、かけがえのない宝物を頂くことができました」などと喜びを語った。
興部町出身。1972年、結婚を機に妻の故郷である置戸に移住した。74年に置戸消防団・秋田分団に入団。境野分団から秋田分団が独立した年で、地域のためにと訓練などにも積極的に取り組んだ。副分団長を経て1999年に分団長に就任、2010年に退団した。
平成に入ってからは「火事はそれほど多くはなかった」と振り返るも、酪農家の乾燥ロールが火元となった火災では「ロールの中が発酵して高温になっていた影響からか、消火したと思っても水を運んでくる間にまた火勢が戻り、終わりが見えなかったことが記憶に残っている」。36年にわたる団活動に区切りをつけた時は「寂しかった」と言う。
伝達式では深川正美町長が松岡さんに表彰状を手渡し「何事も人のためにと行動してくれる方だと思う。影ながら活動を支えた奥様も大変だったのでは」と言葉を掛けた。
内助の功で支えた都子さんは「出動した時はお風呂を沸かして、温かく迎えられる準備をしていました。帰りを待って眠れない日もありました」と当時を振り返った。(理)