忘れない、地震・津波への備え

2025-01-09 掲載

(北見市/社会)

元日発生の能登半島地震から1年

 能登半島地震から1年。いつ起きるか分からない地震・津波だが、元日の発生はあまりにも衝撃だった。海に面し、常に津波防災と向き合わなければならない北見市常呂の浜を地震発生とほぼ同じ時刻の1日午後4時頃に訪問してみた。10年前に設置された豊浜地区の津波避難通路(階段)は正月と言えども油断なく、前日からの積雪も払われ、万全の態勢が整えられていた。

2025年元日、地震発生時刻に常呂の前浜を訪問

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常に防災と向き合う

 関係機関によると、昨年の同地震による津波は早い地点では発生1分後に到達。陸を駆け上がるような勢いのある高さの津波は発生から約20分後に訪れ、避難に対しては時間的余裕があったとされる。

 気象庁の資料によると、北海道では道南の瀬棚漁港、奥尻漁港に同日午後6時過ぎにそれぞれ54㌢、震源から遠く離れたオホーツク海沿岸には津波予報が出され、枝幸港に翌2日午前零時20分、紋別港に同3時45分に各11㌢の津波が到達した。

 2011年3月の東日本大震災を受け、海岸線に接する豊浜地区には約500㍍離れた2カ所に津波避難階段が設けられている。

10年前に設置、豊浜地区の津波避難通路
前日からの雪は払われ万全の態勢に

 このうち東側には住宅が建ち並ぶ海抜5・8㍍の最下部から高台へと通じる海抜13・2㍍の最上部まで104段の階段が設置されている。市の委託を受け、管理にあたる北見市シルバー人材センター常呂支所が大晦日から約10㌢降り積もった雪を元日も休むことなく除雪作業に励み、積雪に阻まれることなく上れる状態にしていた。

2023年に道の津波災害警戒区域に

豊浜町内会長・栗城 憲康さん
「真冬の避難訓練も実施したい」

 常呂が2023年に道の津波災害警戒区域に指定された際、市の住民説明会開催後に参加住民による避難訓練が同階段を使用して行われた。同施設に近い豊浜町内会の栗城憲康会長は「避難階段は万が一の際の命綱。いつ発生しても大丈夫なように目を光らせているつもり。元日の発生を忘れないよう近く町内会を対象に真冬の避難訓練も実施したい」と気を引き締める。 (寒)

海抜5・8㍍から13・2㍍まで上がる104段の階段 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
海抜5・8㍍から13・2㍍まで上がる104段の階段

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  • 能登半島地震

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