北見地区暴力追放推進協議会主催の暴力追放研修会がこのほど、北見市民会館で開かれた。同協議会に加盟する北見、置戸、訓子府の関係団体から約40人が参加。北見警察署刑事・生活安全官の村上綾氏が「最近の暴力団の情勢について」をテーマに講演した。
村上氏はグラフを示し、統計上は全国、道内とも暴力団構成員の人数は減っているが、「暴力団組織が弱体化しているのかと言えば、答えはNOです」と語った。表向きは足を洗った元暴力団員や若い世代は暴力団に加入せず半グレとして「堅気の振りをして陰ではヤクザまがいの資金獲得活動をしている。その背後で暴力団が暗躍しているのが現在の暴力団情勢の実態」と解説した。
ネットやスマホ普及は暴力団をはじめ犯罪組織にとっても便利なツールとなっており、「昭和は対面型のおどし、現在は非対面型のだましと、その資金獲得活動の主軸が移っているのが現状」とした。
匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」や闇バイトについても説明。「バイトという言葉が犯罪意識を薄めてしまう。犯罪実行犯の募集であるということを意識する必要がある。闇がつく仕事は真っ黒な犯罪行為です」と語気を強めた。また、北海道特有の資金源として、なまこや鮭の密漁についても詳しく述べた。
暴力団を弱体化、壊滅に追い込むためには警察の取り締まりだけでなく、地域住民や企業の協力が必要不可欠であるとし「暴力団を利用しない、金を出さない、恐れない、交際しない。暴力団追放3ない運動プラス1を実践していただき、今後も理解と協力をお願いしたい」と呼びかけた。