前代未聞のプロポーザル~網走市~ ㊦

2025-02-28 掲載

(網走市/本紙連載)

憶測呼んだプロポーザル 選定理由の公平・透明性が必要

 網走市は、ごみ最終処分場(埋め立て処分場)と破砕リサイクル施設の管理・運営を担う委託業者を〝異例〟の公募型プロポーザル方式で選定した。20年近くにわたり両施設の業務を受託してきた地元業者は選ばれず、従事していた30人以上のパート社員らは解雇・部署異動となる見通し。なぜ、水谷市長は公募型プロポーザル方式にこだわったのか? (大)

4月から選定業者が延命化策開始
選定されなかった地元業者は従事社員らを解雇・部署異動

■非公開

 埋め立て処分場と破砕リサイクル施設の管理・運営の委託について、公募型プロポーザル方式が導入されるのは初めて。前年度までは指名競争入札、今年度は一般競争入札で選定していた。

 プロポーザルは、「入札金額」ではなく「企画」を重視するのが特徴。今回は、埋め立て処分場の延命策の「企画」に対して、審査委員会(市職員6人、外部4人の計10人)が採点し、北見市の業者を選んだ。

 プロポーザルの結果が公表された今月25日夕方、本紙は「北見市の業者がプロポーザル審査に提出した企画内容を知りたい」と取材を申し込んだが、担当職員からは「即答できない」との返事が来た。

 一方、地元業者は本紙の求めに応じ、プレゼン資料を入手することができた。公表することにも同意してくれた。

■解雇

 今回のプロポーザル導入について、昨年12月の市議会・文教民生委員会(7人)では、3人の市議が反対。「地元業者の仕事が奪われかねない」などとの理由だった。

 プロポーザル採点の結果、委託業者に選ばれなかった地元業者は現在、破砕リサイクル施設で働く30人以上のパート・正社員の解雇、部署異動の準備を進めている。

 市は、破砕リサイクル施設の業務にあたる「標準的人員」を30人と設定。4月以降、北見市の業者は30人ほどの従業員を確保し、自ら企画した延命化策に着手する。

 …………………

 地元業者は数年前から、埋め立て処分場の延命策などを巡り、市側に意見を申し入れていた。また、複数の市議は「市側から、地元業者役員が市の担当職員にパワハラ行為をしていたと聞いた」(※地元業者は全面否定)と話す。

 こうした「市との〝対立〟が(モノ申す業者を排除しやすい)プロポーザルの導入につながったとも考えられるが、水谷市長の〝強い意向〟に職員は従わざるを得なかったのでは」(ベテラン市議)。

 さまざまな憶測が流れた中で実施されたプロポーザル。委託業者決定までの経緯は非公開・非公表な部分が多く、水谷市長には公平性と透明性についての具体的な説明が求められる。

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  • プロポーザル

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