■不可解
昨年3月14日、網走市のごみ最終処分場の管理・運営を担う委託業者を決めるための一般競争入札が行われた。応札したのは、20年近くにわたり受託してきた地元業者と北見市の業者の2者。落札したのは、北見市の業者だった。
実は、2年前までは指名競争入札で、応札できたのは地元の業者や協同組合だけだった。しかし、市は昨年から一般競争入札に変更し、市外業者も応札できるようにした。
月刊誌「財界さっぽろ」4月号は、指名競争から一般競争に変更になった背景、北見市の業者が市に提出した入札書の不可解な点などを報じた。
■立ち会いダメ?
本紙は、昨年3月の入札に関する告示資料を入手。資料には、開札日は「令和6年3月14日(木)午前9時」と記されていた。開札の場所、立ち会いを希望する場合の説明はない。ある市職員は「入札者の立ち会いは想定していないのが現状」と証言する。
オホーツク総合振興局入札契約課は「道は開札を原則公開としているので、告示する際は開札の日時をはじめ、開札場所を明記することになっている」とする。
地方自治法は、一般競争入札の開札について「入札者を立ち会わせてしなければならない」とする。
■鍵は誰が?
昨年3月の入札について、市はコロナ禍であることを理由に、応札した業者が金額を記した入札書を郵送する仕組みにしていた。通常は、応札者が直接提出するスタイルだ。
郵送された入札書を受け取った市は、開札日まで役所内にある金庫などで厳重保管する。
今年3月に行われた一般ごみ、資源ごみ収集委託業務の一般競争入札も、昨年と同様に郵送で入札書を受け付けた(期限は3月14日)。開札日(3月17日)までの保管場所は金庫ではなく鍵付きの棚で、この棚の鍵を所有していたのは担当部署の管理職だった。
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取材では、網走市は開札時に応札者の立ち合いを積極的に求めていない実態が明らかになった。入札書の管理も第三者ではなく〝身内〟が担っており、市には入札においての公平・公正・透明性を担保するための改善策が求められている。