■合意形成?
先日、建設予定地から産廃が確認され、工事残土と思われる盛り土は国の安全基準を満たしていなかったことが判明。11月25日の網走市議会・文教民生委員会を通じて公表されると、新聞やテレビなどが大々的に報じた。
東藻琴地区が「建設候補地」とされたのは3年前だ(大空町の資料より→『令和3年12月 建設地の第1候補として打診を受ける』)。
建設地の再検討を求めてきた東藻琴地区の住民グループの1人は今月6日、請願に伴った網走市議会・文教民生委員会での意見陳述で「建設地の選定の際、地盤調査など当たり前の手順をなぜ、踏んでこなかったのか」と疑問を呈した。
この請願は、同委員会の2人の議員が「不採択」としたため継続審査となったが、今後の広域ごみ処理施設を建設する上で、いくつかの〝教訓〟を示した形になった。
「住民との合意形成」大きな教訓に
教訓の一つに、「住民との合意形成」がある。今後、1市5町の首長と各議会は、広域ごみ処理施設の新たな建設地を決定する際、「住民との合意形成はできた」とする明確な根拠を示すことが求められそうだ。
■1億5千万円
広域協議会事務局の網走市によると、協議会発足からこれまでの3カ年で建設準備(調査、設計、測量、計画策定業務など)に費やした公金は約1億5千万円。今回の問題により、1億5千万円は無駄になってしまう可能性が高い。
1市5町から広域協議会はまず、今回の問題についての〝反省〟と〝検証〟が必要だ。その作業を早急に進めるためにも、同協議会長である網走市の水谷洋一市長の強いリーダーシップが求められる。
2年前、網走市は〝ごみ問題〟で揺れていた。その最中、当時の網走市議会・文教民生委員会は水谷市長に政策提言書を提出し=写真=、その中で「『(ごみ処理の)広域化』及び『中間処理への焼却の導入』については市民の間でも様々な見解があり、スピードや結論だけを重視した検討では、市民の理解や共感を得ることが困難」とし、広域協議に〝前のめり過ぎる〟水谷市長の姿勢に釘を刺していた。