北見市教委は、市立学校のいじめの調査結果などを含む、2024年度の「市立学校の問題行動等の概況」をさきごろ開かれた定例市教委で報告した。各小中学校から報告されたいじめの総件数は547件で前年度より193件増加した。
報告されたいじめの件数は、小学校が418件(前年度比167件増)、中学校129件(同26件増)と、特に小学校で急増している。
増加の要因は、初期段階でのいじめの積極的な認知を進めているため。市教委は「比較的軽微と思われる事案でも早期に詳細な聞き取りを行い、被害者側が嫌な気持ちを感じていれば、いじめとして報告している」と説明した。
被害者の学年別人数では、小学4年生が112人で最も多く、次いで5年生82人、6年生72人だった。中学校では1年生が66人と多かった。
「いじめの態様」は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が全体の64%を占め、次いで「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が29%だった。
発見のきっかけは、アンケート調査などの学校の取り組みが68%と最も多かった。
報告されたいじめのうち、523件(約96%)は解消している。残りは、いじめの行為は止んでいるが、その状態が3カ月以上経過していない状況で、いじめの行為が止んでいないケースは0件だった。
市教委は「いじめゼロの学校を目指すのではなく、『いじめ見逃しゼロ』と『いじめ早期発見』を合言葉に、きめ細やかな児童生徒理解や指導体制づくりを進め、再発防止の取り組みを継続的に支援、指導する」と述べた。 (理)