夢華大学学生住民が花えーるの今後考える

2025-07-23 掲載

(北見市/社会)

ピザづくりしながらアイデア出し合う

 北見市留辺蘂自治区で生涯学習に取り組む夢華(むか)大学の学生住民達が5日、おんねゆ温泉農業交流センター「花えーる」を訪れ、ピザづくりを体験した。あらためて施設の利活用を考えるテーマ学習。調理・加工から試食まで行い、参加者は「これだけの設備もったいない」「何かに生まれ変われば」などと語り合い、施設の存在価値を実感した。

不満や戸惑いの声も

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 学生が毎月、テーマを考え、学習している。

 花えーるは、北見市の財政健全化計画・アクションプランで今年度末の廃止が予定されている。施設の存在があまり知られていないという声もあることから「実際に訪問し、調理加工を体験してみることで、施設の今後の利活用を考えてみよう」と、7月の学習テーマとして企画した。

 ところがその後の6月下旬に市議会で、市が同施設の民間売却を考えていることが明らかに。学生達は、施設が今後どうなるか分からないなか、戸惑いの訪問となった。

 同施設の職員に教わりながら、小麦粉を練り、発酵のため生地を寝かせる間に、施設内外を見て回った。屋内では、木の温もりのあるカフェ風の研修室や広いスペースの多目的研修室を見学。屋外では、丘陵地に広がる花壇を横目にのんびりと散策した。

 丸く伸ばした生地に思い思いにトッピングし自分好みに。スチームオーブンで、参加した10人ほどのピザを一斉に焼いた。

 出来上がったピザを食べながら「大きなオーブンで、一斉に出来上がるのがいい」「温かいピザを皆で食べるとおいしい」とまんざらでもなさそうで「ここでピザ屋さんを開くのもいいかも」と話がふくらんだ。

 参加者は、やはり今後の施設の行方が気になるようで、この施設ができた頃を知っているという女性は「農業者の活性化施設として誕生したように記憶している。今年率先して農家の人達が市に存続を要望してもダメなのは理解できない」と話し、男性参加者は「市町合併の際、地域課題は各自治体だけでなく、全市で考えられるからいいんだと話し合った。他人事と思わず、みんなで対策を考え合うことが大事だ」と声を上げた。

 総じて「設備が大事に使われていて、もったいない」と一致。自然豊かなロケーションのなか、農家レストランもいいし、焼肉のまちなので1年中焼肉ができればいい、といったアイデアも生まれた。参加した女性は「何かに生まれ変わればいいね」としみじみ語った。      (寒)

※おんねゆ温泉農業交流センター「花えーる」メモ

 地元農産物を使った新しい商品づくりなど、農業および農村づくりを担う施設として国と道の補助を受け約1億6千万円を投じ2007年2月にオープン。体験活動を通じて交流し、地域住民の活動の場としても利用されている。愛称「花えーる」は住民からの公募で決まった。各種加工用の什器を備え、みそ、パン、アイスクリーム、チーズづくりなどが盛ん。白花豆などの地場産品に付加価値を高める加工技術の開発も手掛ける。木造平屋建て床面積約419平方㍍。周辺の山すそに、数十種の花が植栽され、ドライフラワーやリースの制作も楽しめる。 (寒)

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