
緊急銃猟は、9月1日の改正鳥獣保護管理法施行に伴って始まった。クマなどを危険鳥獣とし①住宅や広場などの場所、乗り物に侵入またはその恐れがある②危害防止の措置を緊急に講じる必要がある③銃猟以外で的確・迅速に捕獲することが困難④人に弾丸が当たる恐れがない―の4つの条件を全て満たす場合に可能になる。
市町村長がハンターらに銃猟を委託できる。15日には、宮城県仙台市で制度開始後初めて緊急銃猟によりクマ1頭が駆除された。
有事に向けて真剣に
訓練には美幌、津別の両自治体と猟友会、オホーツク総合振興局、美幌警察署などから15人が参加。津別小学校近くに体長1・5㍍のヒグマ1頭が出没した設定で①臨場した警察官が発見する②ごみステーションを物色する③中央公民館敷地に居座る④日没時間が近づいても温水プール敷地に居座る―の4つの場面について、緊急銃猟を含めた対応を話し合って発表した。
①②③については、敷地や周辺の道路などが舗装され、弾丸が止まる芝生や土などやわらかい地形(バックストップ)がないため、発砲した弾丸が跳弾する恐れがあるとして「緊急銃猟は行えない」という見解で一致。住民への避難などの呼びかけや、追い払いを行うとした。
④についても、敷地内に一部にバックストップとなる場所はあるものの、周りには住宅や道路があり、猟友会から「クマを見下ろせる位置でなければ撃てない」と見解を示した。
自治体などは「ハンターさんの意見を尊重する」としたが、2018年に警察官が居合わせる中で発砲し、ヒグマを駆除した砂川市内のハンターが猟銃免許の許可を取り消された経緯から「法的根拠がしっかりしていないと撃つ側は撃てない」と根強い不信感を感じさせる声もあった。
美幌警察署地域・交通課の村上僚課長は「シビアな判断が求められるが、訓練などを通じて今後さらに連携を深めたい」と話した。 (浩)