■5割近く
首長交際費について、オホーツクの中核都市・北見市は公開している。北海道知事も公開し、HP上で簡単に閲覧することができる。
一方、網走市は非公開を続ける。本紙は今回、情報開示請求により、2022(令和4)年度から24(令和6)年度の市長交際費支出内容を記した資料を入手した。
資料によると、網走市長交際費は①懇親会②負担金③助成金④祝儀⑤香典⑥土産品⑦その他―に分類される。
「懇親会」は、主催者などから案内を受けていないが市長判断で参加する会合などを含む。一方、「負担金」は主催者などからの案内がある会合などとされる。
令和6年度に市長交際費支出額は約328万円で、このうち「懇親会」と「負担金」を合わせると46・5%を占めた。
■北見市長との差
令和6年度の北見市長交際費支出額は108万円余り。単純な比較だが、網走市長の3分の1ほどだ。
網走市長交際費の「負担金」を見てみる。令和6年度の支出額は74万9830円で、市内のA奉仕団体の会費(4万円と周年例会9千円)や教育関係者との意見交換会(2万5千円)などに使われた。
このほか、「高規格道路道路整備に係る意見交換会」の会費負担金として計8万3千円(3回分)を支出。昨年7月9日開催の同意見交換会の会費負担金は3万円で、北見市長は6千円だった。
「3万円」と「6千円」の差について、網走市役所に問い合わせたところ、「網走市では関係職員も出席しています」との回答だった。
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求められる透明性の向上
全国的に市長交際費を公開している自治体は多く、そのほとんどは交際費の支出基準を設けている。一方、網走市に支出基準は存在しない。
本紙の3年前の取材に対し、水谷洋一市長は「必要があれば公開する」と文書回答しているが、公開に向けて役所内で議論された様子はない。「交際費は、使途が住民から疑義を受けやすい経費であるため、透明性の向上を図ることが求められている」(役所OB)。