連載 市長交際費 議員の反応は~網走市~ ㊦

2025-10-03 掲載

(網走市/社会)

公開求める附帯意見、反対したのは?

 網走市長の交際費は公開すべきか?―。先日の定例市議会では公開の是非について議論されたものの、与党系と野党系会派の歩調が整わず、市側に公開の検討を求めることができなかった。公開に反対、賛成した議員(会派)の考えを紹介する。 (大)

役所の慣例、時代の流れに〝ズレ〟

■使い勝手のよさ

 市長交際費は、外部との交際・交渉に利用するための経費(公金)。式典への出席費、お土産、慶弔費などに支出される。道内にある35市のうち、8割強の29市が公開している。

 水谷市長が交際費を公開しない理由は、「トップセールスによる交渉内容の詳細を明らかにするのは市政運営に影響がある」(定例市議会での部長答弁)ためだ。

 網走市は市長交際費の支出基準を設けていない。つまり、市長だけの判断で支出が可能な公金となり、「使い道の自由度が高く、使い勝手のいい公金となっている」(市議OB)

■右ならえ

 9月の定例市議会・決算審査特別委員会で古都宣裕議員は、2024年度の市長交際費について、支出内容が公開されていないため「審査できない」とし、議会側に公開の検討を求める附帯意見(※)をつけるよう求めた。しかし、反対する会派がおり、実現しなかった。

 本紙取材によると、古都氏の求めに反対した会派は、研政会(3人)と希政会(2人)、公明クラブ(2人)。いずれも、水谷市長の市政運営や選挙活動を積極的に支えている与党系会派だ。

 公開に反対する理由は3会派ともに「トップセールスの公開は馴染まない」だった。

 野党系の中堅市議は「与党系会派の反対理由は判で押したように〝右ならえ〟。いつものこと」と冷ややかだ。

 ただ、与党系会派の中には、公開には基本的に前向きな考えを持つ市議もいた。

 …………………

 市長交際費の公開を求める野党系のベテラン市議は「税金の使われ方の透明性を図るために公開すべき。秘密裏の交渉に支出した場合、それだけを非公開にするなど、方法はいくらでもある」と指摘する。別の野党系ベテラン市議は「網走市役所の慣例は時代にそぐわないケースが多々ある」と話していた。

(※網走市議会の希望意見として市側へ伝える行為)

キーワード

  • 交際費

関連記事

検索フォーム

キーワード

地域

表示順

 

カレンダー