連載 増える「一人暮らしのお年寄り」~網走市~ ㊦

2025-10-31 掲載

(網走市/社会)

「住み続けたい」
アンケートで7割超え

 網走市において、一人暮らしの高齢者が増えている。市内の65歳以上人口のうちの2割が一人暮らし世帯だ(※令和2年の国調結果)。市の調査では、65歳以上の8割近くが「今後も自分の家で生活したい」としており、町内会などを中心にした〝地域の支え合い体制〟の強化が喫緊の課題として浮上している。 (大)

地域の支え合い体制が不可欠
町内会は加入率下降、解散も
市は「終活情報登録事業」創設

■市の調査

 2年前、市は無作為に抽出した要介護認定を受けていない65歳以上の市民1600人・世帯を対象にしたアンケート調査を実施。目的は、第9期の介護保険事業計画などに反映するためだ。

 市のアンケートでは、回答者の22・2%が「一人暮らし」だった。このうち、70~74歳が23・1%で最も多く、次いで75~79歳20・8%、65~69歳17・6%などと続く。

 市は同計画の更新に伴い、3年ごとにアンケート調査を実施している。2年前の調査では初めて、「あなたは今後、どこで生活することを希望しますか」との質問を加えた。

 新たな質問への回答で最も多かったのは、「現在の住居」で75・2%を占めた。

 これらの調査結果からは、①網走市は今後も一人暮らしのお年寄りが増える②今後さらに高齢者のみ世帯の家が増える―ということが推測できる。

■対策は?

 網走市で一人暮らしのお年寄りが増えることに伴い、地域住民相互による支え合い体制の構築は不可欠だ。町内会が核となることが望まれるが、現実は厳しい。

 市社協によると、町内会数は減少傾向にある。理由は町内会を解散するケースが増えているためで、2024(令和6)年の町内会加入率は58・9%で過去10年で最も低かった。

 市は先日、市社協に委託した「終活情報登録事業」を創設。一人暮らしのお年寄りが対象で、万が一の際に病院や警察などからの問い合わせに対し、担当職員が事前に登録してもらっていた内容を基に対応する試みだ。

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