
日本赤十字社の清家篤社長が8日、北見市内の日本赤十字北海道看護大学で講演した。国内の人口減少や少子高齢化が進む中、参加率向上など赤十字が目指す展望を語った。
主催は日本赤十字北海道看護大学看護開発センター。市民、教職員ら約100人が参加した。
テーマは「未来を拓く赤十字の人道支援」。清家社長は「いかなる状況でも最後まで苦しんでいる人を救うためそこにいて、命と健康と尊厳を守る」などとする赤十字の理念を紹介した。
AIの進化、武力紛争のぼっ発、気候変動など社会の変化に触れつつ、国内の人口減少、少子高齢化に言及。「高齢化で赤十字への期待は高まるが、持続可能性の低下も懸念される」とし、寄付者や献血者、ボランティアの数への影響について話した。
「赤十字運動への参加率を高めるには、対外的な発信を強めて運動を幅広く知ってもらうこと。高齢者が元気で活動してもらうことも大切」と展望した。
医療面では「一番大切なのはハート。医療の技術はいつか陳腐化するが、人を思いやる気持ちは決して陳腐化しない」と述べた。
国内6つの看護大学の中で、赤十字を進路に選ぶ学生は北海道が最も高いと紹介。「赤十字のスピリットを持つ学生が、赤十字に就職する良いサイクルが続いてほしい」と話した。 (浩)