
タイブレークを制したその日の午後、フォルティウスはSC軽井沢クラブとの決定戦1試合目に臨む。
予選での対戦を含め相手からトータル3勝をした方が優勝というルール。予選の成績は互いに1勝1敗。先にあと2勝したほうが優勝で、逆にあと2敗したチームが負け。その決定戦第1試合、フォルティウスはSC軽井沢クラブの前に3―11と大敗する。
トータルの対戦成績1勝2敗で、またまた後がなくなった。
優勝しなければ道が途絶える今年の日本選手権をはじめ、今回も予選2連敗からスタートし、一つも負けられない状況でここにきて尚、必勝しかない境遇にさらされる。
負けたら終わり。ここまで幾度となく崖っぷちを経験してきたフォルティウスだが、試合後に小野寺佳歩選手は「意外と崖っぷちという感じはしなかった」と本音。吉村紗也香選手も「負けたら終わりという中で、みんなしっかりと忍耐強くプレーできていた。技術もそうですけれど、メンタルの面でも強くなったなあと選手それぞれが感じていたと思います」と振り返る。
コーチボックスから試合を見つめた船山弓枝コーチは「予選2連敗から始まり、タイブレークや決定戦も負けられない試合が続きましたが、チームはこの4年間、新スポンサーやファン、家族に支えていただきながら、さまざまな試練を乗り越えて、力強く成長してきた経緯があった。だから『できる、必ず結果が出る』と信じて試合に臨むことができました」と、ここまでの道のりを知るチームの一員として、厳しくも優しく、氷上の4人に安心の視線を送り続けた。 <つづく>(寒)
出場2枠懸け、8カ国激突
フォルティウス 6日に対アメリカ
ミラノ・コルティナオリンピックカーリング競技(来年2月4日から)の出場権を争う、世界最終予選は6日、カナダ・ケロウナ市で開幕する。男女各2枠を懸けて激突する。
男女それぞれ8カ国代表チームが出場。このうち日本女子代表・フォルティウスは6日の初戦でいきなり、強敵アメリカと顔合わせ。以降も強豪ぞろいで手を抜けない。予選の成績上位3チームが決定戦に進出する。
予選リーグ対戦相手と試合開始日時(日本時間)は次の通り。
<予選リーグ>
【日本女子】
▽第1戦=アメリカ(6日午後零時)
▽第2戦=ドイツ(7日午前7時)
▽第3戦=オーストラリア(8日午前2時)
▽第4戦=チェコ(8日午後零時)
▽第5戦=トルコ(9日午前7時)
▽第6戦=エストニア(10日午前2時)
▽第7戦=ノルウェー(10日午後零時) (寒)