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吃音テーマに念願の作家デビュー

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2017/02/17掲載(北見市/社会・話題)

北見・椎野 直弥さん(32)

絵本、児童書、一般書籍のポプラ社(東京都)から、北見市在住のペンネーム椎野直弥(しいのなおや)さん(32)の小説「僕は上手にしゃべれない」が刊行された。吃音(きつおん)に悩む中学1年の少年が、ハンデを乗り越えようとする感動小説。念願の作家デビューを果たした椎野さんは「吃音があるから書けた作品です。悩みに立ち向かう少年の本気を知ってもらえたら」と話している。

ポプラ社から小説「僕は上手にしゃべれない」刊行
悩みに立ち向かう少年の本気を知ってもらえたら

最初の言葉を発せなかったり、言葉が重なってしまう吃音。椎野さん自身もこの症状で子どものころから悩んできたそう。しかし医療や科学が進化した今も、原因や治療法は解明されていない。

 北見の小・中学校、北見柏陽高校から札幌の医療系の大学に進み、そのころに小説を書き始めた。「現実逃避ではないけれど、僕自身、小さいころから本に救われてきました。今度は自分が誰かを助けたい」との思いからだったそう。「吃音の説明についてはどうしても時間を費やしてしまう。僕の作品が説明する代わりになれたら…」

 卒業後も仕事をしながら小説を書き続けた。そして応募した小説新人賞。ポプラ社の選考委からエールをもらい、この道で歩んでいく決心をした。同賞は、同社編集部が「世に出したい、ともに歩みたいと考える作品」を社員だけで選ぶのが特徴。椎野さんの作品は最終選考5作品に残り、このほど刊行に至った。

 「僕は-」は中学校に入学した主人公の少年が、普通に話せる日常を思い描き、放送部への入部を考えるなど、吃音に立ち向かおうとするあらすじ。克服へ向けて順調に進んでいると思える場面もあれば、そうではない場面もある。吃音の当事者が読むにはつらいシーンもあるかもしれない。

 しかし最後に待ち受けている思わぬ展開は、読み手の“あたたかな涙”を誘う。本を閉じた後には、幸せな読後感が待っている。

 作品をパソコンで打ち、出版社とメールや電話でやりとりする椎野さん。北見という地方に居ながらにして作家デビューできたことを「北見に居ても大きな不便を感じていません。ポプラ社の担当者さんとコミュニケーションを十分とれますし、適切で温かな励ましのおかげです」と感謝。「今まで世話になった分、家族に孝行もしたいし」。ちなみに次回作は「家族」をテーマに書きたいと考えているそう。

 小説家として「読者に希望を持ってもらえるような作品をこれからも発信していきたい」と話している。 (寒)