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連載 企業家・渋沢栄一(完)

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2019/11/12掲載(北見市/本誌連載)

北海商科大名誉教授・菊地均氏寄稿

「論語の精神をもって商業を経営する」

 渋沢が大蔵省を辞めるに至った経緯や企業家としての後半生のことは、もはや書くスペースがなくなった。ただ最後に、渋沢が官尊民卑の風習の甚だしかった明治6年に官を去って実業界に入ったのは、どんな思想に基づくのか、ということについて一言する。

 渋沢辞職の報を聞くや2人の親友が駆けつけ、渋沢が官を去るのを惜しんで、切に辞意を翻すことを勧めたが、この時渋沢は答えて言う。

 「官吏は平凡でもいいが、商人は賢才でなければならない。日本人が商人となるのを恥辱と考えるのは大間違いだ。わが国今日の急務は、商人の品位を高くし、人材を商業界へ向かわせ、商人は徳義の標本と言われるようにすることだ。私はまだ経験も乏しい者だが、私の胸の中には論語がある。私は論語の精神をもって商業を経営するつもりだから見ていてくれ」と。

 渋沢にとって、資本主義を考えるにあたって、資本だけを集めるのではなく、人材の育成を合体した「合本主義」を貫く、すなわち論語に根ざした私益と公益の安定したモラル社会を理念型として考えたことを思う時、上記の言葉は彼の本心から出たものだ、と思わざるを得ない。

 このように日本の企業家史の中にある渋沢栄一の生涯と思想は、現代の企業家を考える上で、大いに参考になるものだ。